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2017年 01月 13日
過去の演劇の話を寺山&天井桟敷で進めてしまうと、なんだか「寺山研究」みたいになってかたっ苦しいので(笑・でもまた続きますが)、今日はちょっと違う話。
寺山に先立つ1976年12月5日、黒色テント68/71の「阿部定の犬」を見に、当時の悪友に連れられて川崎球場裏グラウンドに張られた黒テントに行きました。黒テントといえば、当時のアングラ界では有名な劇団だったので、早い番号の整理券をもらおうと、夜7時開演にもかかわらず、勇んでお昼過ぎぐらいに現場に行きました。今と違って「何時から整理券出します」みたいなのはなかったのではないかな。それともただただ気が急いて早く現場に行ったのだったかな。よく覚えていない。とにかく早い者勝ちではありました。それでも1番とかじゃなかったですよ。一桁だったとは記憶してますが。 でも、高校3年生の男子2人がお昼から夜まで何をしていたらいいんでしょう。お金もないし、喫茶店でお茶するような発想すらない(笑)。結局、グラウンド周辺をぶらぶらして、時々会話をしながら、それぞれが物思いにふけるようにまったりとした時間を過ごしていたわけです。 でもそのまったりとした時間に見たものが面白かった。 最初はグラウンドでやっている草野球を見るでもなく見ていたのですが、そのうち、テントの中から役者さんたちが出てきて(寝泊まりしていた人もいたのでしょうか)、おのおのが体操やら発声練習などをして、まるでサーカス巡業の一団のよう。でも当時はそこまでの感性がなかったので(苦笑)、もっと漠然と「なんかいいな」という印象だったと思います。そのうち、スタッフの人も出てきて、あれやこれや準備、セッティングをはじめ、そんなこともぼんやり眺めているうちに、だんだんお客さんが周りに集まってきて、「そう! 黒テントの芝居を見るのだった!」とあらためて気づかされました。 芝居そのものは、台本も演出も面白く、熱気に満ちたすごく見応えのあるもので(特に寺山以前だったので)、思うことがありすぎて、川崎から阿佐ヶ谷まで帰ってくる電車の中で、高校生男子2人はそれぞれが窓の外を見ながら一言も喋らなかったと記憶しています。圧倒的な舞台のあとにその感想を言葉にしたり、言葉で共有したり、といった気分ではなかった、あるいはできなかった、といったところでしょうか。 その芝居は今でも覚えています。斎藤晴彦、新井純、小篠一成、金子研三、桐谷夏子などの芸達者ぞろい(清水綋治と村松克己は、この芝居には出ていませんでしたが)で、すげえもん見たなと。黒テントは初期自由劇場からの流れもあって、俳優術としては結構正統派で、そのぶん、役者もうまく力のある人が多かったと思います。でも、この舞台を思い出すとき、一緒に必ずついてくる記憶は、開演前、舞台以前の役者やスタッフの振る舞い。虚構は日常の中にあり、また、日常はいつでも虚構にとって代わられる。そこに境界線はない。またはそれはパラレルに並行して共存している。それを見せるのが舞台者(もの)なのだということを、そうだ、あのときの私は帰りの電車の中で、それを言葉にできなかったのだと今更ながらに。 ねえ、Mくん。 ※このパンフは川崎で見たときに購入したものですが、直前に梅ヶ丘で「昭和三部作」連続興行の際に作られたもの。むしろ川崎でやった「阿部定の犬」はアンコール特別公演だったのかも。
by asabali
| 2017-01-13 06:09
| 演劇
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